日常に、ナチュラルなbossaを。

瀬戸内住みのフォトグラファー・アートディレクターがつづる瀬戸内ノスタルジー探しと旅とクリエイティブブログ。

人が好きだから人物を撮ってるの

人物写真を撮る人は「人が好き」なんだよね、きっと。

人物写真を撮るのが仕事だから、と理由はあるだろうけど、被写体となるものが人物なら少なくとも人間が大っ嫌いということはないはず。

私はブライダルカメラマンという職業を経験する前はほとんど被写体は人物ではなかった。じゃあなぜ被写体で人物も撮るようになったのか。今日はちょっとそんな話を。

私はブライダルカメラマンになる前までずっと風景、カフェ、雑貨しか撮影していなかった。むしろ極力人が映らないように撮影していた。理由は

  • 旅行先で見た風景だけを撮りたい
  • モデルになってくれる人がいない
  • 思い出写真(何を食べたか、何を見たか等)だからブツ撮りだけでいい

 

f:id:naturalbossa:20180827110506j:plain

 

当時は風景やご飯を撮るのが楽しかったから、それはそれでいいんだけど…今考えるとすごく勿体無い事をしていたなーと時々思う。だって一緒に旅行したのに、カフェに行って楽しい話をしながら美味しいご飯を食べたはずなのに、一緒に行った人が写ってないのって寂しい。今は一緒に行った人とどんな雰囲気で楽しめたか、どんな景色を見て話をしたのか思い出せる写真がいい。それに、写真から体温や匂い、空気感が感じられる写真が撮りたい。と自然に思うようになった。これ、大袈裟に言うけど「人が好きだから」と思っている。

「人が好きだから」っていうのを言い換えると「ペットが可愛くて大好きだから写真撮ってます。目や足はもちろん可愛いし、このシュチュエーションのこの表情は何度見ても見飽きない!」という感じに近いと思って欲しい。それくらい人に対して撮影時には愛がこもっている。

 

 

f:id:naturalbossa:20180827145342j:plain

転機はブライダルカメラマン 

 

ブライダルカメラマンの基本的な被写体は人。ブライダルカメラマンになった当初は「上手く撮影できるのか」と不安だったし、一発本番の結婚式撮影って気持ち悪くなるくらい緊張してた。実際、人物撮影が怖かった。でも、死にそうなくらいの緊張の後に必ずご褒美が待っていた。それは仲良くなった新郎新婦の写真の出来が本当に最高だということ。前撮りは先輩が撮影していたけど、完成した写真を見るのがいつも楽しみだった。新郎新婦によって同じようなアングル・同じようなポージングをしてもらって撮影しても全然違う仕上がりだし、その人達らしさが出ちゃうの。人間性が写るっていうのかな。毎回どうしてこんなに違うのかと驚いていたっけ。

それに婚礼は式・披露宴、ゲスト、言えば天候さえも毎回違うので撮る写真も毎回違う。だから婚礼を撮影して、現像してレタッチしても毎回同じ仕上がりにならないし、同じ写真は二度と撮れない。それがどんどん面白くなってきた。

あとね、前撮りの時とか、先輩が明るい新郎新婦なら「ほっぺをくっつけた写真撮ろう」とかクールな新郎新婦なら「寄り添った写真を多めに撮ろう」とか、人物像を見極めて臨機応変に撮影進めていくの。それがアシスタントしてたら毎回なぞなぞのように「今回の撮影はどうするんだろう」とワクワクしていた。すごいよね、打ち合わせ~撮影中でどんどん撮影雰囲気を作って、その人に合った撮影をするって。

そんなことを何度も何度も繰り返す内にだんだん人物写真が楽しくなって好きになってきた。ブライダルカメラマンを経験したからこそ「その人を知って、その人らしさ」を撮れるようになりたいと思い今、シャッターをきっている。

「人が好きだから」って大袈裟に言ったけど、人が好きじゃないとその人物を知ろうと思わないし、その人らしさを考えることもしないと思う。

 

f:id:naturalbossa:20180827145418j:plain

 

って、こんな言い張ってみたはいいものの、もちろん風景写真もバリバリ撮っている。やっぱり風景写真も好きだからね。ただ、カメラマンって職業になる前と後を比べると、カフェ写真や風景写真は少なくなって、人物写真が格段に多くなったかな。

「人が好き、だから人物写真が撮りたい」いや「人物写真が好きだから、人が好き」なのか…どちらにせよ、人が好きじゃないと人物写真は面白味もないし、続かない。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村