日常に、ナチュラルなbossaを。

瀬戸内住みのフォトグラファー・アートディレクターがつづる瀬戸内ノスタルジー探しと旅とクリエイティブブログ。

撮影前の緊張と雨の日の克服

撮影を楽しむって、本当に大切なこと。

被写体に対して「うまく撮影できるか」とか「失敗したらどうしよう」という恐怖にも近い感覚はいつも持っていて、撮影前はいつも緊張している。それは撮影の大きい小さいという規模は一切関係なく、「撮影」というものを前にするといつもだ。

撮影前の緊張は天気にもよって左右されることもしばしば。ぴーかん照の時は真上からの影で目の下にガッツリ影ができたり、一部だけが太陽の光が当たると撮影中、「どうしようか」と悩む回数が多くなる。また、雨の日や曇天の日はのっぺりした写真になったり、撮影出来る可能範囲(ロケができなくなったり、光が足りず暗かったり)を狭く感じたりするので、撮影前は「頭」が緊張する。

特に私は雨の日や曇天の撮影は低気圧に弱いこともあり、頭と体の両方が緊張し、撮影の楽しみを見出せずにいた。

 

が、先日のこと。

土砂降りの中、モデルさんとキャッキャッ言いながら撮影したことでとても楽しい撮影が行えた。この日は撮影冒頭から雨が降っていて、どんどん強くなる。気がつけば土砂降り。。。一時休憩しようと屋根のあるベンチで話をしていた時のこと。モデルさんが「濡れても大丈夫よ~着替え持ってきてるから、撮りたい写真撮って」と言ってもらえたので、それまで「雨に濡れると身体冷やすし、申し訳ないなぁ」と思っていたけれど、言い出せなかった一言を言ってみた。

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髪が濡れてる写真が撮りたい!

思いきって伝えてみた。声に出して。

普段ガツガツ自分の話をするやつなのに、たまに「言ってくれたらいいのに!」と、気を使うところを間違うところがある、、、この日もそんな間違いをしていた。自分の撮影したいシチュエーションを言い出せずにいるのはダメだ。と、勇気を出してこの日は甘えて伝えた。「髪が濡れている写真が撮影したい!」と。そしたらすぐに土砂降りの雨の中、髪を濡らしてくれたモデルさん。そこから、2人とも傘もささずに髪だけじゃなく、服もビショビショにしながら撮影をした。たわいもない話や日常の話、色んな話をしながら。そして、モデルさんの表情や大切にしているものを見ながら。

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このことが距離を縮めたのかな。カメラとモデルさんの距離が一気に縮まった感じがした。お互い、意見を言いながら写真を作っていく。そんな望んでいた撮影ができた。

「髪が濡れた写真が撮りたい!」そのたった一言を口に出すという勇気と、雨の力を借りて、この日は楽しい撮影ができた。

それに新たな撮影方法なんかも模索できて、自分の中の雨・曇天の日の撮影幅が広がったようにも思える。雨の日や曇天の日撮影も苦手だったはずなのに、雨なら雨らしく撮影する。雨粒が映り込むことも、新緑が青々として映るのも全て雨・曇りの日ならではのこと。争わないで、そのシチュエーションに合わせた撮影をすることが大切なんだと思えた。

 

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 冒頭であげていた撮影前の「緊張」は、あっていいものだと思っているし、いつまでも緊張しておくのがいいと思う。でも。その緊張は「撮影を楽しみ始めた瞬間」から緊張が解ける。だから、ちゃんと撮影を楽しむのが、私の撮影ルール。(誰も緊張MAXのカメラマンに撮影してほしくないと思うし)

今回の撮影が終わった次の瞬間には、モデルさんと「次は海で撮影しましょ!」と約束を交わした。今は撮影前の緊張がじわりじわりと攻めてきているが、楽しみでしかたない。早く海で撮影できる日が来ないかな。

 

 

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